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【新・兜町INSIDE】人工衛星画像で株式売買、防ぐ手立てなく規制なし 当面は「やった者が勝ち」

 企業の内部情報で株式を売買し、不当に利益を得るインサイダー取引。証券取引等監視委員会や東証など監督当局の連携で露骨なケースは減ったが、中には「法律も規制もないから合法」としか言いようのない例もある。人工衛星から撮った画像をもとにした株式売買である。

 外資系証券関係者によれば、衛星写真を使った株式取引は海外勢が先行しているという。工場の敷地や郊外型大型スーパーの駐車場を見れば、生産活動や集客状況を容易に推測できる。自動車、電子部品、小売業など幅広い業種で企業の正式発表前に業績の動向をつかめるので、株式売買には圧倒的に有利になる。

 問題なのは、この分野についての規制が全くないこと。自動車工場の敷地で部品を積んで待機するトラックの台数は当然、企業が投資家向けに公表するデータではない。工場の敷地外から脚立を立てて内部を撮影すれば盗撮だが、大気圏外から写真に収めることは野放しというのが現状だ。企業側が撮影を防ごうにも手立てはなく、当面は「やった者が勝ち」のようだ。

 【2017年10月4日発行紙面から】

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