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【サラリーマン特報】現場で広がり始めた「がんゲノム医療」の希望と課題 遺伝子検査で投薬選択、100万円を超す高額費用 (1/2ページ)

 がんの治療薬選びに役立てるため、患者の数百個もの遺伝子を一度に調べる新しい検査が医療現場で広がり始めた。将来、がん医療を大きく変える手法として期待されるが、保険が適用されていないため費用は高額で、効果的な薬が見つかる確率はまだ低い。結果の開示範囲を巡るルールが確定していないなどの課題もあり、患者への丁寧な情報提供が不可欠だ。 

 千葉県の石橋昭子さん(67)は今年4月、横浜市立大病院でがんの遺伝子検査を受けた。

 昨年、子宮体がんを手術。抗がん剤治療を続けていたが、効果が低くなり薬を変えたところ、強い吐き気などの副作用に悩まされ、治療への気力を失いそうになった。そこへ主治医から同大の検査を紹介された。

 がんは、正常な細胞の遺伝子が変異するために起こる病気。抗がん剤は通常、がんの部位や進行度に基づき、多くの患者で効果が確認された薬が使われる。これが標準治療だ。しかし変異する遺伝子は同じ臓器のがんでも患者ごとに違うため、標準治療では効果が不十分なケースもある。

 一方、近年は、特定の遺伝子変異に働き掛ける新薬が次々に登場している。遺伝子検査の狙いは、標準治療で効果がみられなかった患者に、その人のがんの原因に合った治療薬を探すことだ。

 石橋さんが受けた同大の検査「MSKインパクト」は、米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターが開発。がん発症に関わる約490個の遺伝子を調べる。手術で取ったがんの組織と周辺の正常な組織を米国へ送り、比較した結果が約1カ月半で報告される。費用は約60万円。

 見つかった遺伝子変異についての詳細な解説と、米国で承認済みや研究開発中の薬の効果が期待できるかどうかなどが報告される。担当の加藤真吾助教は「解釈には最先端の知識が必要。院内の専門医と協議を重ねた上で、患者さん用の資料を作成して丁寧に説明している」と話す。

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